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Dallmeyer Speed Anastigmat 15mm f1.5

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N.A.

Lens Impression

Dallmeyer社のシネ用高速レンズ、「スピード・アナスティグマート」15mmf1.5です。
1932年の同社広告に同型のレンズが登場しておりますので、約75年以上前に作られたレンズです。広告には20mm、1インチ、1.5インチ、2インチ、2.5インチ、3インチが表示されていますが、このレンズはそれよりも焦点距離の短い15mm。別掲の1インチレンズよりも製造番号は約10万番後になりますので、数年あとのものかもしれません。
レンズ構成はまさにKino-Plasmatと同様の非常に珍しい形です。そのためか、描写は非常にソフトでかなり強い滲みが出ます。周辺のボケは派手ですが、Kino-Plasmatの非点収差が強いぐるぐるというよりも、むしろコマ収差のほうがより優勢に影響しているようです。ただ、この傾向はKino-Plasmatでも短焦点のものには出てきますので、この形のレンズ構成の周辺の特徴の一つだと思われます。

Photos with Dallmeyer Speed Anastigmat 15mm f1.5

2008
Mayfair〜BANK
(メイフェアからバンク)
ロンドンの冬は昼間も暗いので、スナップでブレを無くすのは至難の業。むしろそんなことは早々に諦めて積極的に人々の姿を収めていきます。このレンズの特性としてピント部分の「線の細さ」があります。後半のギリシャ風建物(バンク地域)の柱の描写などは、約1/4秒を手持ちで撮ったものですが、細部の彫刻まで非常に良く描いてくれています。
2008
Hydepark
(ハイドパーク)
この豆粒のようなレンズをボディも小型のLumix-G1に付けて歩くと、軽くて目立たず、しかもLeica-M8に比べるとシャッター音が圧倒的に静かですので、非常に快適に撮影をしている自分に気づきます。
2008
Trafalgar Square,Soho
(トラファルガーからソーホー)
ロンドンの冬は3時台に入るとあっという間に辺りが暗くなってきます。昼間も毎日毎日曇り空が続きますので、徐々に気持ちまで暗くなってきがち。そういう時はカメラ片手に被写体求めてうろつくに限りますね。点光源が多くなりますので、収差の判定にもぴったりです。この作例たちからは、圧倒的なコマ収差が読み取っていただけると思います。